編集部より:お米の劣化を抑え、かつ夏場の虫の繁殖を防ぐための対策法をご存知ですか。今回は、五ッ星お米マイスターの平松伸元さんにお米の保管方法について伺いました。お米が美味しくなくなる原因は、大きく分けて酸化、カビ、乾燥の3点が挙げれらます。それぞれ重要な項目ですので、忘れずに対応しましょう。
目次
お米の保管手段
鷹の爪やニンニクを入れると良いって本当?
昔から「鷹の爪」や「ニンニク」を米びつにいれたらよいと言われてますが、果たして効果があるのか実験してみました。
写真のように、カットしたペットボトルにお米とコクゾウムシを10匹づついれて
- 鷹の爪でできた防虫剤
- ワサビでできた防虫剤
- ニンニク
- なにも入れない
で実験開始。2日後…
鷹の爪には殺す効果はなさそうに思われますが、たしかに嫌がってでていったようです。ワサビはかなり効果がありました。ニンニクについては迷信かもしれません。
お米の保管に適した、桐の米びつ
桐の米びつは、お米の虫が棲み付きにくいことで知られています。桐の木に含まれる 「パウロニン」「セサミン」といった成分には、虫を寄り付かせない、あるいはお米に発生した虫が嫌がって出ていくといった防虫効果があります。ただし、お米に卵が付着していた場合、高温時に発生することはあります。
さて、次のページでは、お米の味が落ちる3つの原因について解説します。
お米の味が落ちる3つの原因
お米が美味しくなくなる原因は、大きく分けて酸化、カビ、乾燥の3点が挙げれらます。このページではそれぞれの原因と対策について解説いたします。
1.酸化
お米の劣化は主に酸化によるものです。酸化は、温度と酸素によって進行します。温度が高いほど酸化のスピードは早くなりますが、酸素がないと酸化は進みません。
台所はコンロを使ったりして暑くなりやすい場所ですから、お米の保管場所としては不適切です。できるだけ涼しい場所を選びましょう。
2.カビ
カビは主に高温期にお米に水が付着することにより発生します。お米を計量する際に、濡れたカップで計ったりすると、残りのお米に水がついてしまい、カビの原因となります。
盲点ですが、密閉している米袋をエアコンが効いているからと西日が差しこむ場所に置いていると、お米の袋の中に結露してしまいます。その水分によって、お米全体が灰色になってカビがはえることもあります。
3.乾燥
お米の袋を開封後、口を閉じずに放置すると、外気によってお米が乾燥し、食味が低下します。毎回、きちんと密閉しましょう。
さて、次のページでは、お米の保管期間について解説します。
お米の保管期間はどれくらい?
お米には賞味期限がありません。代わりに表示されているのは精米年月日(白米の場合)です。いつまでに食べないといけない、という観念はお米にはありません。ただ、おいしく食べられる期間の目安はあります。
保管期間の目安
家庭でのお米の保管の場合、保管の温度が関与してきます。気温と保管日数と関係を下図に表しました。これを見ると、春~夏にかけて保管日数が大きく下がっているのがわかります。
最高気温が10度以下になれば、お米のおいしさはほとんど失われることはありません。しかし高温となる夏場では、2週間もするとお米のおいしさは低下してしまいます。
夏場の保管方法
温度的には、冷蔵庫の冷蔵室が適しています。しかし、乾燥することと、お米を保管する場所が取りにくいことから、当サイトでは野菜室をおすすめします。野菜室はお米の保管には少し湿度が高いので、密閉できるジップロックや、タッパ、ペットボトルのような袋にお米を入れて保管すると良いでしょう。
こうすることで、お米の劣化を抑え、かつ夏場の虫の繁殖を防ぐことができます。
業務用の保管方法
業務用の保管方法については、以下のページにまとめました。
お米の虫については以下の記事がおすすめです。
夏場の炊飯時の注意点については以下のページにまとめました。