夏場の炊飯時3つの注意点

子供のころは梅雨時期から夏にかけて食べ物が腐ってないか嗅いだり齧ったりしたものです。しかし、器具や食品管理が進んだ今では腐っているという想定すらなくなってきました。今回はお米に関する夏場の炊飯時の注意点を3つに大別して説明します。

夏場の漬け置き時間について

夏場の漬け置き時間の目安

夏場の水温が高い時期は30分の漬け置きで問題ありません。ただし、ガス炊飯器では15分以下の浸漬はNG!これだけは一番重要事項です。

前日から洗っておく場合の注意点

洗ってから水に浸して置く場合、水温が高い状態で長時間放置することが原因で発酵したり、菌が増殖したりします。冷蔵庫での保管をしてください。

洗った後、ザルあげや水切りをする場合の注意点

上記と同じく冷蔵庫での保管が必要です。ザルにあげたまま冷蔵庫で保管するのは避けてください。乾燥によりひび割れし、さらに炊飯器に移す際にも割れて、炊き上がりが団子状になります。たとえ布巾などをかけていても、エクアドル茶米菌が侵入してしまう可能性があります。

残ったごはんの保温について

夏場、朝に炊いたごはんの残りを保温しておき晩御飯で食べると、あるいは、夜に炊いたごはんを朝食べると、黄ばんで臭いも出てきて、がっかりすることはありませんか。

これはアミノ・カルボニル(メイラード)反応と言われ、米に含まれる糖とアミノ酸が反応することでメラノイジンと呼ばれる褐色の物質を生じさせます。この反応は、温度が高いと起こりやすいため、保温すると反応が進みやすくなります。

また、炊飯の加熱下でも、胞子で生き残った細菌や、炊飯器の蓋をあけた際の落下菌が増殖します。夏場はもともとの菌の数が多いため、保温によってさらに菌が増殖します。このため、夏場の方が保温状態はよくありません。

解決策1.保温に強い品種やお米を使う

品質の良い「コシヒカリ」や「つや姫」などは保温しても黄ばみにくいです。黄ばんで捨ててしまうことがあるなら、少し高くなるものの、上記のお米を使うことで逆にコストを削減できるかもしれません。

解決策2.複数の家庭用炊飯器で炊飯、保温する

これはたくさんのお米を扱う業者さん向けの解決策になりますが、大きな炊飯器で一度に炊くより、複数の家庭用炊飯器で炊くとよいでしょう。仮に総計で2升のごはんを炊くとすると、家庭用の1升の炊飯器2台で複数回に分けて炊く方が、保温の時間は短くなります。

また、ある程度のグレードの家庭用炊飯器は保温の能力が高く、黄ばみにくいこともあります。炊きあがってから保温ジャーに移し替える手間もないので、一度考慮してみることをおすすめします。

夏場のお米の保管方法

酸化を進行させるお米の袋の穴

コーヒー豆の袋には、空気孔があります。これは、豆を焙煎することで放出された炭酸ガス(二酸化炭素)を袋の外に逃がすための構造です。写真のような手の込んだ構造にすることで、炭酸ガスを適度に放出させています。

炭酸ガスは悪者ではありません。むしろ酸化を抑える働きをするので、抜ききらない方がよいとされています。重要なのは、酸素が入らないようにする構造です。

実は、諸々の理由により、お米の袋にも穴があります。お米は精米しても炭酸ガスを出すことはないので、穴が開いていることにより酸素が出入りし、酸化を早める原因になってしまいます。残念ながらコーヒー豆のようなきめ細かな対応はしていないのが通常なのです。

お米が美味しくなくなる原因はおもに酸化によるものです。酸化は、温度と酸素によって進行します。温度が高いほど酸化のスピードは早く、酸素がないと酸化は進みません。梅雨が始まり本格的に暑くなる前に、保管場所や保管方法を見直してみてください。

夏場のお米の詳しい保管方法はこちらにまとめました。

お米の味が落ちる3つの原因と、夏場の保管方法について

空気穴からの水濡れ

厨房を掃除(ホースで水をかけたり)する際に、お米の袋に水がかかったりするような保管をされてませんか? ステンレスの調理台の下のパイプ棚にお米を置かれていたりする場合も注意が必要です。お米の空気穴から水が流入し、カビの原因になっているかもしれません。

お米の袋の空気穴に対する対策法は、こちらにまとめました。

飲食店や学校等におけるお米のカビ対策