オーストラリア米の栽培環境と安全性

オーストラリア南東部

輸入農産物はとかく安全性が気になります。

端的に言うと、日本よりもオーストラリアのほうが農薬が少なくて栽培が可能であるということです。オーストラリアでは農薬や人工肥料を一切使用しない有機栽培米を生産している農場も多く、オーストラリアは世界でいちばん農薬を使わずにお米を栽培しているとも言われているほどです。

 

オーストラリア米が安全と言える3つのポイント

どうしても気になるという方のために、オーストラリア米が安全といえる理由を3つにまとめました。

  1. 広大な農地で栽培が可能である……広大な農地のため「疎稙」が可能になります。「疎稙(そしょく)」とは、株と株の間を広くとって植える栽培技術です。これによって、風通しがよくなり病気や害虫の発生がすくなくなり、全体的に日光がよくあたることから、健全に稲が育つため、病害虫に抵抗力がつきます。
  2. 日夜の極端な寒暖差……夜にしっかりと気温が下がることにより、虫の発生がしにくくなったり、昼に光合成によって生み出された栄養分が夜にお米に転流され充実して育つことにより、病害虫にも強く、高食味に育ちます。
  3. 風土を活かした農法……この記事でも後に紹介している「輪作農法」により、病害虫の発生が抑えられます。

このように、日本では生産性や風土の障害で実現が難しいようなことがオーストラリアでは可能なのです。以下では、これら3つの点についてより詳しく指南していきます。

 

稲作に適したオーストラリアの風土

オーストラリアの州や都市を記載した地図です。

都市名としてはシドニーが良く聞かれますが、首都は「キャンベラ」です。
では、オーストラリアの稲作地帯は、オーストラリアの南東部です。上の地図の緑色の楕円の部分が主な稲作地帯です。

山脈が海岸近くにあり、海側ではなくどちらかというと内陸部の方に広がる平野が稲作地区なのです。

スノーウィー山地から流れ出すマレー川流域を利用して栽培されています。このスノーウィー山地は雪が積もりスキーで有名です。この雪解け水が流れ出すマレー川にダムをつくり灌漑が整備されているのです。

 

もっと広範囲で地図を見ると、面白いことがわかります。

オーストラリアは日本の赤道をはさんでまったく反対側で、ほぼ同じ経度に、オーストラリアの稲作地帯があるのです。
稲作地区にある都市のリートンの気候状況ですが

降水量は年間を通じて多くはありませんが、ダムの灌漑が整っており、気候的には稲作には理想的であります。

さらに土質は「重粘土質」という「コシヒカリ」など粘りのある短粒種米がおいしく作れる土質です。

オーストラリアの稲作地帯は、日本と変わりのない栽培条件が整っているのです。

栽培技術も当初から日本の技術が持ち込まれ、ある部分日本より先進的な管理が行われていたりします。その一例を示す動画があります。

映像は、稲が稔る前に稲のサンプルを少し刈り取り成分分析を行い、その田んぼに適切な追肥を行うデータをだして、フィードバックしています。日本でも、リモートセンシングという技術で同様の効果をもたらす管理をしているところもありますが、ここまで綿密な管理には至っていません。

合わない条件で作っているのではなく、日本と同様の条件で日本人にも合うお米を作る条件が整っているのです。

日本での稲作の時期は5月ぐらいから10月ぐらいの間ですが、南半球のオーストラリアでの稲作時期は9月から4月ぐらいの間。オーストラリアにおいて「新米」は4月ぐらいから出回り始めるのです。日本に輸入され、9月後半から10月頃には日本で「新米」として入手することもできる場合があります。

 

広大な大地オーストラリアならではの「輪作」農業手法

さて、オーストラリアにおいては、日本では行えないような理想的な農業手法が行われています。それは「輪作」です。「輪作」とは、同じ土地で年ごとにローテーションして作物をかえる体系をとる手法です。

1年目 稲作

2年目:穀物作(小麦、大麦、オーツ麦) もしくはマメ科作物作

3年目:マメ科牧草を植え 羊や牛を放牧することにより土壌の窒素などの養分を補う

この手法をとることにより、連作を行わないことにより病害虫がでにくくなったり、牧畜により土壌が肥沃になったりします。

このように、オーストラリアの稲作地帯にはすばらしい栽培条件が揃っているので、高品質なお米が生産されているのです。

 

ポストハーベストの心配は?

農薬というと、栽培時に散布したり使用したりすることをイメージしますが、収穫した後の穀物に保管や輸送のために農薬散布する「ポストハーベスト」の心配があげられます。、日本では禁止され行われていませんが、世界での穀物という視点で見ると、保管コストを下げるために行われている国もあります。

オーストラリアの稲作地帯にある保管設備は、乾いた気候と高度な貯蔵技術により、ポストハーベスト農薬は使用していません。

 

完全なトレーサビリティーが行われている

さらに、オーストラリアではすべてのお米に関して完全なトレーサビリティー管理がなされています。

また、日本で販売されているオーストラリア米は、オーストラリア国内と、船積みした時と、日本に輸入された時の3段階で、残留農薬約580項目の検査を行っており、国が定めた安全性検査に合格し、国が輸入を認めたお米です。